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特集 あらためて学ぶ。薬疹と皮膚障害
症例報告
妊娠初期に発症したスルファメトキサゾール・トリメトプリムによる薬剤性過敏症症候群の1例
Drug-induced hypersensitivity syndrome due to sulfamethoxazole-trimethoprim in early pregnancy
神﨑 美玲
1
,
髙向 梨沙
1
,
中村 佳子
2
,
藤木 豊
2
,
佐藤 栄一
3
,
川合 志奈
4
Mirei KANZAKI
1
,
Risa TAKAMUKI
1
,
Yoshiko NAKAMURA
2
,
Yutaka FUJIKI
2
,
Eiichi SATO
3
,
Shina KAWAI
4
1水戸済生会総合病院,皮膚科(主任:神﨑美玲主任部長)
2同,産婦人科
3ひたちなか母と子の病院,ひたちなか市
4自治医科大学附属病院,小児泌尿器科
キーワード:
薬剤性過敏症症候群
,
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
,
妊娠
,
免疫寛容
,
重症薬疹
Keyword:
薬剤性過敏症症候群
,
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
,
妊娠
,
免疫寛容
,
重症薬疹
pp.1848-1852
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002941
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18歳,女性。妊娠7週。右重複腎盂尿管の既往あり。複雑性膀胱炎に対する予防投与として,6週間前よりスルファメトキサゾール・トリメトプリムを内服していた。1週間前から体幹に紅斑が出現し,高熱を伴い急速に増悪した。肝機能異常,白血球増多,頸部リンパ節腫脹および経過中にHHV-6 IgG抗体価の有意な上昇がみられ,薬剤性過敏症症候群と診断した。スルファメトキサゾール・トリメトプリムの中止とステロイドの全身投与により薬剤性過敏症症候群の症状は回復した。薬剤リンパ球刺激試験でスルファメトキサゾール・トリメトプリムが陽性であった。その後の妊娠経過に問題なく,経腟分娩で健康な児を出産した。妊娠に合併した薬剤性過敏症症候群は非常にまれであり,妊娠時における薬剤性過敏症症候群発症の病態解明と治療法の確立が望まれる。
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