イマチニブメシル酸塩により生じた乾癬型薬疹の1例

Psoriasiform eruption induced by imatinib

58歳，男性。乾癬の既往や家族歴はない。胃gastrointestinal stromal tumorに対して胃部分摘出術を施行され，翌月よりイマチニブメシル酸塩400mg/日の内服を開始した。内服開始18日後より全身に紅斑と丘疹が出現し，プレドニゾロンの内服を開始した。イマチニブメシル酸塩は減量し内服を継続した。イマチニブメシル酸塩内服開始19カ月後，鱗屑を伴い扁平隆起する紅斑が四肢優位に全身に認められ，病理組織像で一部好酸球を混じたリンパ球優位の炎症細胞浸潤と表皮突起の延長が認められた。イマチニブメシル酸塩によって生じた乾癬型薬疹と診断し，ナローバンドUVB療法を行ったところ奏効した。乾癬の既往のない患者においてイマチニブメシル酸塩による乾癬型薬疹の発症の報告はまれである。