Japanese
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特集 あらためて学ぶ。薬疹と皮膚障害
症例報告
オシメルチニブメシル酸塩による紫斑型薬疹の1例
Purpuric drug eruption caused by osimertinib
向井 みれ以
1
,
楠谷 尚
2
,
山本 紀美子
1
Mirei MUKAI
1
,
Nao KUSUTANI
2
,
Kimiko YAMAMOTO
1
1石切生喜病院,皮膚科(主任:山本紀美子部長)
2大阪市立総合医療センター,皮膚科
キーワード:
オシメルチニブメシル酸塩
,
紫斑
,
血管炎
,
薬疹
Keyword:
オシメルチニブメシル酸塩
,
紫斑
,
血管炎
,
薬疹
pp.1830-1833
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002937
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70歳代,女性。肺腺癌に対してオシメルチニブメシル酸塩の内服を開始し,11日後に両下肢に紫斑が出現した。同薬剤を中止し当科を受診した。両下肢を中心に浸潤を触れる紫斑,膿疱がみられた。浸潤を触れる紫斑の皮膚病理組織検査では,表皮への好中球浸潤と小膿疱形成,真皮上層の血管周囲に核塵と赤血球血管外漏出がみられた。オシメルチニブメシル酸塩による薬疹と考え,プレドニゾロンとミノサイクリン塩酸塩内服,ステロイド外用を行い,紫斑は色素沈着化した。患者の希望でオシメルチニブメシル酸塩の再投与は行わず,その後も皮疹の再燃はなかった。比較的まれであるが,オシメルチニブメシル酸塩により紫斑・血管炎を呈し得ることを念頭に診察し,適切な対応をとることが必要である。
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