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特集 薬疹・薬物障害
エルロチニブによる下腿の紫斑型薬疹の2例
Two Cases of Purpuric Drug Eruption Due to Erlotinib
宇野 優
1
,
石氏 陽三
1
,
中川 秀己
1
,
内海 裕文
2
Yu UNO
1
,
Yozo ISHIUJI
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
,
Hirofumi UTSUMI
2
1東京慈恵会医科大学附属病院,皮膚科(主任:中川秀己教授)
2同,呼吸器内科
キーワード:
エルロチニブ
,
紫斑
,
薬疹
Keyword:
エルロチニブ
,
紫斑
,
薬疹
pp.53-57
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000516
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症例1:61歳,女性。1カ月前に肺腺癌と診断され,エルロチニブを開始した。痤瘡様皮疹の増悪による投薬中断から再開1カ月後に,下腿に膿疱を伴う紫斑がところどころに出現した。症例2:50歳,女性。5年前に肺腺癌と診断された。その後,癌性髄膜炎に対してエルロチニブを内服開始し,8カ月後より両下腿に紫斑が出現した。両例とも病理組織像で,血管周囲に炎症細胞浸潤を認めたが,壊死性血管炎の所見はなかった。エルロチニブ休薬と全身ステロイド投与により皮疹は軽快した。以上よりエルロチニブによる薬疹と診断した。頻度は低いが,同剤は紫斑型薬疹を生じる可能性があり,注意が必要である。
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