Japanese
English
症例報告
アナフィラクトイド紫斑の経過中に生じた蕁麻疹様血管炎―コルヒチンが有効であった1例
A case of urticarial vasculitis in anaphylactoid purpura successfully treated with colchicine
加倉井 真樹
1
,
東 隆一
1
,
飯田 絵理
1
,
高田 大
1
,
岡田 栄子
1
,
平塚 裕一郎
1
,
山田 朋子
2
,
出光 俊郎
1
Maki KAKURAI
1
,
Ryuichi AZUMA
1
,
Eri IIDA
1
,
Masaru TAKADA
1
,
Eiko OKADA
1
,
Yuichiro HIRATSUKA
1
,
Tomoko YAMADA
2
,
Toshio DEMITSU
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター皮膚科
2自治医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Jichi Medical University Saitama Medical Center, Saitama, Japan
2Department of Dermatology, Jichi Medical University School of Medicine, Shimotsuke, Japan
キーワード:
蕁麻疹
,
紫斑
,
血管炎
,
蛍光抗体
,
コルヒチン
Keyword:
蕁麻疹
,
紫斑
,
血管炎
,
蛍光抗体
,
コルヒチン
pp.27-30
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101850
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要約 63歳,男性.腹部症状,関節症状を伴うアナフィラクトイド紫斑(AP)の軽快後に,口唇浮腫,体幹,上肢にかゆみのある浮腫性紅斑が出現した.個疹は24時間以上持続して消退する.来院時,腹部および前腕に浮腫性紅斑が認められ,紅斑の一部は弧状を呈し,淡褐色の色素沈着と紫斑を伴っている.病理組織像は真皮上層から下層,皮下組織にかけて,血管周囲性に核塵を伴う好中球浸潤があり,血管壁は不明瞭である.赤血球の血管外漏出も認められる.免疫蛍光法では真皮血管壁にIgA,C3,フィブリノゲンの沈着をみた.以上より,APを基礎疾患とした蕁麻疹様血管炎(UV)と考えた.UVおよびAPにコルヒチンが有効であった.APに併発した蕁麻疹や蕁麻疹様血管炎の治療では,コルヒチンはよい選択肢になると考えた.AP軽快後にUVがみられた報告例はなく,APとUVの共通点に着目して考察を行った.
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