Japanese
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特集 あらためて学ぶ。薬疹と皮膚障害
症例報告
抗PD-1抗体治療中に発症したカルバマゼピンによる汎発性水疱性固定薬疹の1例
Generalized bullous fixed drug eruption due to carbamazepine occurring in a patient receiving programmed death 1 inhibitor treatment
山﨑 由里子
1
,
松澤 高光
1
,
中野 倫代
1
,
岸本 充
2
,
山本 麻琴
1
,
松江 弘之
1
Yuriko YAMAZAKI
1
,
Takamitsu MATSUZAWA
1
,
Michiyo NAKANO
1
,
Takashi KISHIMOTO
2
,
Makoto YAMAMOTO
1
,
Hiroyuki MATSUE
1
1千葉大学医学部附属病院,皮膚科(主任:松江弘之教授)
2千葉大学大学院医学研究院,病態病理学
キーワード:
抗PD-1抗体
,
汎発性水疱性固定薬疹
,
カルバマゼピン
Keyword:
抗PD-1抗体
,
汎発性水疱性固定薬疹
,
カルバマゼピン
pp.1823-1827
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002935
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77歳,女性。肺腺癌に対して抗PD-1抗体治療開始4カ月後に発熱,口唇のびらん,体幹,四肢に体表面積1%程度の弛緩性水疱を伴う紅斑が出現した。ステロイド内服で皮疹は寛解するも,漸減中に同一部位に再燃した。3年前より眼瞼痙攣にカルバマゼピンを頓服しており,初発時の内服は不詳だが,再燃前日に同薬剤を内服していた。薬剤リンパ球刺激試験,皮疹部の薬剤貼布試験でカルバマゼピンが陽性であり,同薬剤による汎発性水疱性固定薬疹と診断した。自験例は抗PD-1抗体治療前にはカルバマゼピンによる薬疹を認めず,抗PD-1抗体が発症に関与した可能性が示唆された。抗PD-1抗体治療中の多発性水疱病変では本疾患も鑑別にあげるべき疾患のひとつと考えた。
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