被疑薬が複数あり治療に難渋した汎発性水疱性固定薬疹の1例

Generalized bullous fixed drug eruption with multiple suspected drugs and treatment difficulty

22歳，女性。精神疾患に対して多剤内服中に全身に水疱を伴う紅斑が出現した。薬剤性を疑いステロイド内服を開始し，精神科と連携のうえ漸減できた。しかし，漸減途中に皮疹治癒部の再燃に加え新規病変も出現し増数した。汎発性水疱性固定薬疹と考え，貼布試験結果を参考に薬剤調整を行い，ステロイド内服は中止できたものの数日して皮疹が再燃した。被疑薬と同系統の薬剤が開始となっていたことが判明したため再調整を行い，以後は再燃なく経過している。固定薬疹は皮膚resident memory T細胞の動態が関わっているとされており，自験例のように臨床形態は多彩である。また薬剤調整に際して他科との継続した連携が必要と考えた。