Japanese
English
特集 あらためて学ぶ。薬疹と皮膚障害
総説
1.重症薬疹の最新動向
1. Latest trends in severe drug eruption
末木 博彦
1
Hirohiko SUEKI
1
1昭和大学,名誉教授
キーワード:
疫学調査
,
p-iコンセプト
,
ファーマコゲノミクス
,
バイオマーカー
,
非HIV免疫再構築症候群
,
エタネルセプト
Keyword:
疫学調査
,
p-iコンセプト
,
ファーマコゲノミクス
,
バイオマーカー
,
非HIV免疫再構築症候群
,
エタネルセプト
pp.1767-1776
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002927
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・Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症(SJS/TEN)の全国疫学調査(2016~2018年)では前回調査(2005~2007年)に比較しTENの平均年齢が6.6歳高く,原疾患の悪性腫瘍が8.7%高いことから死亡率が前回より10%高かった。TENの眼後遺症は前回より12%低かった。
・P-iコンセプトにより薬疹はボーダレス化し,感染免疫,腫瘍免疫,免疫調整薬の影響を考慮する必要がある。
・ファーマコゲノミクスについてはスルホンアミド,DPP-4阻害薬で新たなリスクアレルが報告されているが,予知検査の保険適用は進んでいない。
・新たなバイオマーカー候補としてSJS/TENではRIP3,galectin-7,薬剤性過敏症症候群ではTARC,CD4+T細胞におけるCD134(OX40)発現が注目される。
・薬剤性過敏症症候群における非HIV免疫再構築症候群の病態が明らかにされ,irAEと共通するバイオマーカーが検討されている。
・SJS/TENに対し,欧米ではエタネルセプトの使用が拡大している。薬剤性過敏症症候群の治療においては重症度スコア別の治療指針,ステロイド薬投与量・減量法が推奨されている。
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