Japanese
English
症例報告
関節リウマチに対しエタネルセプト投与中に発症したIgA血管炎の1例
A case of IgA vasculitis developed during etanercept treatment for rheumatoid arthritis
佐野 遥
1
,
福味 禎子
2
,
松永 敬一郎
2
,
高橋 一夫
3
,
松倉 節子
1
Haruka SANO
1
,
Sachiko FUKUMI
2
,
Keiichiro MATSUNAGA
2
,
Kazuo TAKAHASHI
3
,
Setsuko MATSUKURA
1
1横須賀市立うわまち病院皮膚科
2横須賀市立うわまち病院内科
3藤沢市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Yokosuka General Hospital Uwamachi, Yokosuka, Japan
2Division of Internal Medicine, Yokosuka General Hospital Uwamachi, Yokosuka, Japan
3Division of Dermatology, Fujisawa City Hospital, Fujisawa, Japan
キーワード:
TNF-α阻害薬関連血管炎
,
IgA血管炎
,
エタネルセプト
,
関節リウマチ
Keyword:
TNF-α阻害薬関連血管炎
,
IgA血管炎
,
エタネルセプト
,
関節リウマチ
pp.583-587
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205796
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要約 62歳,女性.関節リウマチにてメトトレキサート8mg/週,エタネルセプト2mg/週で加療中に両下肢に紫斑,疼痛が出現した.採血にて血清IgAが474mg/dlと上昇し,病理組織学的所見では白血球破砕性血管炎の像があり,蛍光抗体法にてIgA沈着を認めた.メトトレキサート,エタネルセプト投与を中止し,プレドニゾロン10mg/日を開始したところ,紫斑は改善した.抗CCP抗体が686.9U/mlと高値であり,リウマチ性血管炎との鑑別を要したが,ステロイド内服漸減後も再燃なく経過していることから,エタネルセプト投与により誘発されたTNF-α阻害薬関連血管炎と推測した.また自験例では皮膚症状出現3か月前に化膿性乳腺炎の既往があり,その感染が何らかの免疫学的機序を通して,血管炎の発症に関与した可能性も考えられた.TNF-α阻害薬使用中に血管炎を疑う皮膚症状が出現した場合は,薬剤による可能性を考慮する必要がある.
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