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増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024
3.新しい検査法と診断法
重症薬疹のバイオマーカーとしてのオステオポンチン
Osteopontin as a biomarker for severe cutaneous adverse drug reactions
鈴木 茉莉恵
1,2
,
渡辺 秀晃
3
,
猪又 直子
1
,
末木 博彦
4
Marie SUZUKI
1,2
,
Hideaki WATANABE
3
,
Naoko INOMATA
1
,
Hirohiko SUEKI
4
1昭和大学医学部皮膚科学講座
2昭和大学藤が丘病院皮膚科
3昭和大学横浜市北部病院皮膚科
4学校法人昭和大学
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, Showa University Fujigaoka Hospital, Yokohama, Japan
3Department of Dermatology, Showa University Northern Yokohama Hospital, Yokohama, Japan
4Showa University School Corporation, Tokyo, Japan
キーワード:
オステオポンチン
,
薬疹
,
DIHS/DRESS
,
Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症
,
加齢
Keyword:
オステオポンチン
,
薬疹
,
DIHS/DRESS
,
Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症
,
加齢
pp.66-70
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207270
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summary
近年,オステオポンチン(osteopontin : OPN)の免疫調節機能が明らかにされ,自己免疫疾患やアレルギー疾患においてもその役割が明らかにされている.薬剤性過敏症症候群やStevens-Johnson症候群などの重症薬疹は生命予後を脅かす疾患であり,発症早期の正確な診断が重要である.われわれは重症薬疹を含む薬疹患者における血清OPN値を測定し,薬疹の重症度バイオマーカーとしての有用性とその産生源を明らかにすることを目的として検討を行った.その結果,重症薬疹の2病型では健常人コントロールに比し有意のOPN高値を認め,多形紅斑型薬疹との比較でも高値であった.薬剤性過敏症症候群ではOPN値は治療により健常人レベルまで低下した.皮膚生検組織でOPNを発現する炎症細胞はCD4, CD8, CD14, CD68陽性細胞であった.血清OPN値は薬疹の重症度や病勢を評価するバイオマーカーとして利用できる可能性が示唆された.
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