Japanese
English
症例
炎症を繰り返し,足底に瘻孔形成をきたしたHPV関連表皮様囊腫
HPV-related epidermoid cyst on the sole with repeated inflammation and fistula formation
益子 礼人
1,2
,
山本 剛伸
1,2
,
吉岡 敏子
3
,
青山 裕美
1
Rehito MASHIKO
1,2
,
Takenobu YAMAMOTO
1,2
,
Toshiko YOSHIOKA
3
,
Yumi AOYAMA
1
1川崎医科大学,皮膚科学教室(主任:青山裕美教授)
2川崎医科大学総合医療センター,皮膚科
3平島クリニック,岡山市
キーワード:
ヒト乳頭腫ウイルス
,
HPV関連表皮様囊腫
,
足底
,
瘻孔
Keyword:
ヒト乳頭腫ウイルス
,
HPV関連表皮様囊腫
,
足底
,
瘻孔
pp.1729-1732
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002904
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17歳,女子。1年前から右足底の皮下腫瘤を自覚していた。排膿と腫瘤の拡大のため当科を受診した。足底に1cm大の結節と同部位から第2趾間に索状物を認め,切除した。足底は線維化を伴う囊腫を形成し,囊腫から趾間にかけて炎症細胞浸潤と上皮構造をもつ瘻孔を認めた。囊腫/瘻孔上皮に空胞細胞や粗大ケラトヒアリン顆粒,囊腫内の錯角化を認め,ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)60型の存在を確認し,瘻孔形成をきたしたHPV 60型関連表皮様囊腫と診断した。囊腫直上に拡張した表皮内汗管が存在しており,汗管上皮のHPV感染に起因するエクリン汗管の類表皮化生が本症の成因で,荷重など繰り返す刺激による慢性的な炎症が瘻孔形成に関与したと考えた。
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