Japanese
English
症例
ビダラビン脳症とウイルス性髄膜炎の両方が考えられた帯状疱疹患者の1例
Herpes zoster accompanied by vidarabine encephalopathy and viral meningitis
石原 優里
1
,
白川 典子
1
,
山田 麻以
1
,
鈴木 香緒理
1
,
新井 悠江
1
,
松田 秀則
1
,
荻田 あづさ
1
,
伊東 慶悟
1
,
佐伯 秀久
2
,
安齋 眞一
1
Yuri ISHIHARA
1
,
Noriko SHIRAKAWA
1
,
Mai YAMADA
1
,
Kaori SUZUKI
1
,
Hiroe ARAI
1
,
Hidenori MATSUDA
1
,
Azusa OGITA
1
,
Keigo ITO
1
,
Hidehisa SAEKI
2
,
Shin-ichi ANSAI
1
1日本医科大学武蔵小杉病院,皮膚科(主任:安齋眞一教授)
2日本医科大学付属病院,皮膚科,教授
キーワード:
帯状疱疹
,
ビダラビン脳症
,
ウイルス性髄膜炎
Keyword:
帯状疱疹
,
ビダラビン脳症
,
ウイルス性髄膜炎
pp.1723-1727
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002903
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81歳,女性。左大腿部帯状疱疹に対してバラシクロビル塩酸塩内服で嘔気が出現したため,ビダラビン点滴投与による加療を行い,経過中に意識障害,激しい振戦などの神経症状を呈した。髄液所見より,ウイルス性髄膜炎を強く疑ったが,臨床像およびビダラビン代謝産物の血中濃度からはビダラビン脳症の存在が強く考えられた。ウイルス性髄膜炎に対してはアシクロビル投与,ビダラビン脳症に対しては補液などの全身管理を行い,神経症状は徐々に改善したが,見当識障害と下肢麻痺が残存した。帯状疱疹治療中に神経症状が出現した際には,ウイルス性髄膜炎および薬剤性脳症の両方を想起した治療を行うことが重要と考える。
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