Japanese
English
症例
TSST-1毒素産生黄色ブドウ球菌感染を併発した重症落葉状天疱瘡の1例
Pemphigus foliaceus infected with TSST-1-producing Staphylococcus aureus
小林 鮎子
1
,
水野 みどり
1
,
豊嶋 弘一
2
Ayuko KOBAYASHI
1
,
Midori MIZUNO
1
,
Hirokazu TOYOSHIMA
2
1伊勢赤十字病院,皮膚科(主任:水野みどり部長)
2同,感染症内科
キーワード:
落葉状天疱瘡
,
toxic shock syndrome toxin-1
,
黄色ブドウ球菌感染
,
二重膜濾過血漿交換
,
大量免疫グロブリン療法
Keyword:
落葉状天疱瘡
,
toxic shock syndrome toxin-1
,
黄色ブドウ球菌感染
,
二重膜濾過血漿交換
,
大量免疫グロブリン療法
pp.1541-1546
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002848
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42歳,女性。5カ月前から四肢に瘙痒を伴う皮疹が出現し,ステロイド外用にて加療中,突然の発熱と皮疹の増悪を認め,救急搬送された。全身のびまん性紅斑と間擦部を中心に表皮剝離,口囲の放射状亀裂や著明な眼脂を認め,ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群を疑い,セファゾリンナトリウム水和物の投与を開始した。細菌培養ではexfoliative toxin陰性,TSST-1陽性の黄色ブドウ球菌を検出した。蛍光抗体直接法で表皮細胞間にIgGの沈着を確認し,抗desmoglein1抗体が高値で,黄色ブドウ球菌感染を伴った落葉状天疱瘡と診断した。プレドニゾロン内服や大量免疫グロブリン療法に反応不十分で,ステロイドパルスやアザチオプリン,血漿交換療法を併用し,皮疹は改善した。
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