Japanese
English
症例報告
妊娠中に発症した落葉状天疱瘡の1例
A case of pemphigus foliaceus which appeared during pregnancy
斎藤 京
1
,
甲斐 美咲
1
,
天谷 雅行
2
Hitoshi SAITO
1
,
Misaki KAI
1
,
Masayuki AMAGAI
2
1佐野厚生総合病院皮膚科
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Sano Kosei General Hospital
2Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
落葉状天疱瘡
,
妊娠
,
ELISA法
,
neonatal pemphigus
Keyword:
落葉状天疱瘡
,
妊娠
,
ELISA法
,
neonatal pemphigus
pp.495-497
発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903614
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25歳,女性.第2子の妊娠中期から顔面,躯幹に水疱性紅斑を生じ,出産後に皮疹が増悪した.蛍光抗体直接法で表皮細胞間にIgG,C3の沈着を浅層優位に認め,蛍光抗体間接法およびELISA法を施行し,血中抗Dsg1抗体の陽性所見を得て落葉状天疱瘡(以下PF)と診断した.治療にプレドニゾロンを使用し有効.妊娠中発症のPFは過去の報告を検索したが極めて稀である.今回,自験例の出産した新生児には,neonatal pemphigus(以下NP)は生じていなかった.過去のNPの報告はほとんどが尋常性天疱瘡であるが,その理由として新生児の皮膚にはDsg3が表皮浅層にも存在するため,PFの母親から抗Dsg1抗体が移行しても水疱を形成せず,NPを発症しないことが近年報告されている.
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