反復帝王切開術時にアナフィラキシーを発症したラテックスアレルギーの3例

Three cases of latex-induced anaphylaxis during repeated cesarean section

反復帝王切開術時にアナフィラキシーをきたし，ラテックスアレルギーと診断した3例を経験した。いずれも30歳代の女性で，既往歴や職業歴からラテックスアレルギーのリスクが高い患者群であった。初回の帝王切開術後には原因の特定がなされず，2度目の帝王切開術を受けて再びアナフィラキシーをきたした。帝王切開術中のアナフィラキシーは母児ともに重篤な状態に陥る危険性が高いため，妊娠初期から詳細な問診を行い，ラテックスによるアナフィラキシー発症に備える必要がある。ラテックスアレルギーのリスクが高い妊婦や帝王切開術の既往がある患者に帝王切開術を行う際には，予防策としてラテックスフリーの医療環境整備をすすめるべきである。