Prepubertal Unilateral Fibrous Hyperplasia of the Labium Majusの1例

Prepubertal unilateral fibrous hyperplasia of the labium majus

8歳，女児。初診の約2年前から右大陰唇の軟らかい腫脹を自覚し，徐々に拡大傾向であるため当科を初診した。初診時，右大陰唇に境界不明瞭な径5cm大の軟らかい腫脹を認めた。臨床所見から神経線維腫などの軟部組織腫瘍を疑い，生検を行った。病理組織学的に間質浮腫を伴う膠原線維増生と線維芽細胞の増殖があり，線維芽細胞はCD34陽性，エストロゲン受容体陽性であった。特徴的な臨床像と病理組織像からprepubertal unilateral fibrous hyperplasia of the labium majusと診断した。本疾患は過去の報告が少なく，皮膚科領域においてもその疾患概念が十分に認識されているとはいえない。今回われわれは，本疾患の臨床像，病理組織像，病因，鑑別すべき疾患，治療などについて考察した。