Japanese
English
症例
嚥下障害を有する患者に生じた亜鉛欠乏症の1例
Zinc deficiency occurring in a patient with dysphagia
藤井 皓
1
,
大村 尚美
1
,
西島 千博
1
,
稲沖 真
1
,
関 雅博
2
Ko FUJII
1
,
Naomi OHMURA
1
,
Chihiro NISHIJIMA
1
,
Makoto INAOKI
1
,
Masahiro SEKI
2
1金沢医療センター,皮膚科(主任:稲沖 真部長)
2松原病院,内科,金沢市
キーワード:
亜鉛欠乏症
,
一次刺激性接触皮膚炎
,
嚥下障害
,
静脈栄養
,
医療用ゼリー
Keyword:
亜鉛欠乏症
,
一次刺激性接触皮膚炎
,
嚥下障害
,
静脈栄養
,
医療用ゼリー
pp.1817-1820
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003580
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61歳,男性。統合失調症と脳梗塞後遺症があり,4年前から誤嚥防止のために栄養ゼリーの摂取と静脈栄養を受けていた。当科初診の5カ月前から頭部,顔面,臀部などに皮疹が生じ難治であった。初診時に頭部,鼻周囲,口囲に鱗屑痂皮を付着した紅斑が,背部と臀部に紅斑とびらんがみられた。血清亜鉛は13μg/dlと低値であった。亜鉛の経口投与1カ月後に皮疹はほぼ消失した。長期間に及ぶゼリー食や静脈栄養が行われている患者では,亜鉛欠乏症を発症する可能性があり,疑わしい場合には血清亜鉛濃度を測定すべきである。
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