Japanese
English
特集 真菌症
両手に発症したExophiala jeanselmeiによる黒色菌糸症の1例
Phaeohyphomycosis Caused by Exophiala jeanselmei Arising on Both Hands
望月 弘和
1
,
南部 昌之
1
,
竹田 公信
1
,
安澤 数史
1
,
望月 隆
1
,
牧野 智
2
Hirokazu MOCHIZUKI
1
,
Masayuki NANBU
1
,
Kiminobu TAKEDA
1
,
Kazushi ANZAWA
1
,
Takashi MOCHIZUKI
1
,
Satoshi MAKINO
2
1金沢医科大学,皮膚科(主任:望月 隆教授)
2公立能登総合病院,皮膚科
キーワード:
両手
,
Exophiala jeanselmei
,
黒色菌糸症
Keyword:
両手
,
Exophiala jeanselmei
,
黒色菌糸症
pp.1071-1076
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001442
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74歳,女性。関節リウマチでプレドニゾロン10mg/日,メトトレキサート(MTX)6mg/週内服中。趣味で畑仕事をする。5カ月前に右手指に結節,3カ月前から左手背に皮疹が多発した。受診時,右環指腹に結節,左手背から前腕伸側に拇指頭大までの結節,膿瘍が散在し,圧迫で排膿するものがあった。局所熱感はない。病理で真皮に肉芽腫,PAS染色で菌糸や胞子連鎖を認め,膿汁,痂皮の真菌培養で生じた黒褐色の菌はリボソームRNA遺伝子のITS領域の塩基配列から,Exophiala jeanselmeiと同定した。MTXを中止,テルビナフィン塩酸塩,イトラコナゾールの内服併用,温熱療法で治療開始後約6カ月で略治した。免疫抑制状態で病巣の菌量が多く,自家接種により両側性に生じたと考えた。
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