Japanese
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特集 細菌感染症・梅毒
原発性リンパ管型ノカルジア症の1例
Primary lymphocutaneous nocardiosis
岡本 修
1
,
田村 隆弘
2
,
横山 佳代
3
,
吉良 理穂
3
,
竹下 盛重
4
,
橋本 裕之
5
Osamu OKAMOTO
1
,
Takahiro TAMURA
2
,
Kayo YOKOYAMA
3
,
Riho KIRA
3
,
Morishige TAKESHITA
4
,
Hiroyuki HASHIMOTO
5
1大分市医師会立アルメイダ病院,皮膚科(主任:岡本 修部長)
2田村医院田村皮膚科クリニック,大分市
3大分市医師会立アルメイダ病院,臨床検査科
4福岡大学医学部,病理学
5大分市医師会立アルメイダ病院,形成外科
キーワード:
Nocardia
,
リンパ管
,
膿瘍
,
スポロトリコーシス
Keyword:
Nocardia
,
リンパ管
,
膿瘍
,
スポロトリコーシス
pp.169-172
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002384
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78歳,男性。4日前に左前腕に有痛性の腫脹が出現した。左上肢に潰瘍を伴った局面,膿瘍,皮下硬結が不規則列序性に分布しており,スポロトリコーシスなどの深在性真菌症と,一般細菌の混合感染を考えた。このためアンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム配合剤点滴とイトラコナゾール内服を開始し,硬結はほぼ消失して炎症所見も正常となったが,4週間後に膿と組織からNocardiaが検出された。このためリンパ管型ノカルジア症と診断し,内服をスルファメトキサゾール/トリメトプリム合剤に変更して6週間後に治療終了とした。菌種はその後Nocardia brasiliensisと同定された。肉眼的な膿瘍の場合スポロトリコーシスは否定的で,ノカルジア症の早期診断には塗抹検査による情報収集が重要と考えた。
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