Japanese
English
症例報告
リンパ管型スポロトリコーシスの1例
A case of lymphocutaneous sporotrichosis
永井 美貴
1
,
青山 裕美
1
,
神谷 秀喜
1
,
市来 善郎
1
,
小嶋 三佳
1
,
北島 康雄
1
,
松永 研吾
2
,
笹岡 郁乎
2
Miki NAGAI
1
,
Yumi AOYAMA
1
,
Hideki KAMIYA
1
,
Yoshiro ICHIKI
1
,
Mika KOJIMA
1
,
Yasuo KITAJIMA
1
,
Kengo MATUNAGA
2
,
Ikuya SASAOKA
2
1岐阜大学大学院医学系研究科皮膚病態学
2木沢記念病院中央検査科
1Department of Dermatology,Gifu University School of Medicine,Gifu,Japan
2Division of Central Laboratory,Kizawa Memorial Hospital,Minokano,Japan
キーワード:
スポロトリコーシス
,
イトラコナゾール
,
ヨウ化カリウム
,
最小発育阻止濃度(MIC)
Keyword:
スポロトリコーシス
,
イトラコナゾール
,
ヨウ化カリウム
,
最小発育阻止濃度(MIC)
pp.602-606
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102371
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要約 68歳,男性.初診の3か月前に古い木造の改築の際に左前腕に擦過傷を負った.傷は徐々に潰瘍化し,リンパ管の走行に一致して紅斑を伴った結節が多発した.病理組織所見:真皮深層に好中球,リンパ球を主体とする細胞浸潤があり,PAS染色陽性の円形の胞子がみられ,発芽像が混在していた.真菌学的所見:生検組織の一部を接種したサブロー培地では,黒色絨毛状の集落を呈し,マイコセル培地では,湿性で灰白色調絨毛状のコロニー形成がみられた.スライドカルチャーでは,細長く伸びる菌糸柄の先に無色で洋なし型の小分生子を確認した.以上より,スポロトリコーシスと診断した.ヨウ化カリウム(KI)0.5g/日を12週間内服し,使い捨てカイロによる温熱療法とヨウ素含有軟膏外用を併用したが,新生結節を生じたために,KI1.0g/日に増量した.その後,新生結節は減少した.イトラコナゾールのMICは,8μg/ml以上であった.
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