Japanese
English
特集 細菌感染症・梅毒
口唇部に生じたActinomycosisの1例
Actinomycosis on the lip
與語 晶子
1
,
中原 真希子
1
,
中原 剛士
1,2
,
梯 裕恵
3
,
豊田 一弘
4
,
桐生 美麿
5
,
古江 増隆
1
Shoko YOGO
1
,
Makiko KIDO-NAKAHARA
1
,
Takeshi NAKAHARA
1,2
,
Hiroe KAKEHASHI
3
,
Kazuhiro TOYODA
4
,
Hiromaro KIRYU
5
,
Masutaka FURU
1
1九州大学医学部,皮膚科学教室(主任:古江増隆教授)
2同,体表感知学講座
3九州大学病院,顎口腔外科
4同,総合診療科
5福岡皮膚病理診断研究所
キーワード:
Actinomycosis
,
嫌気性放線菌類
,
棍棒状突起
,
16S-rRNA
Keyword:
Actinomycosis
,
嫌気性放線菌類
,
棍棒状突起
,
16S-rRNA
pp.165-168
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002383
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70歳,女性。皮膚科初診の3週間前より,右口角に腫瘤が出現し,徐々に増大して痛みを伴っていた。当科受診時,下口唇白唇口角部に17×15mm大の淡紅褐色の弾性軟な腫瘤を認め,炎症性偽腫瘍を疑い切除生検を行った。病理組織像では,真皮内に好塩基性顆粒が集簇した菌塊とその辺縁に好酸性の棍棒状突起を認め,actinomycosisと診断した。診断後,アモキシシリンを内服し,14週間を経て瘢痕を残し治癒した。Actinomycosisは,細菌培養による検出率は比較的低く,自験例のように,病理組織検査の特徴的な所見によって菌の同定に至ることが多い。細菌培養で検出できなかった場合には,菌種同定のために16S-rRNAによる遺伝子解析が必要と考えた。
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