Japanese
English
特集 水疱症
粘膜に限局した腫瘍随伴性天疱瘡の1例
Paraneoplastic pemphigus localized on the mucous membrane
鈴木 友博
1
,
田口 良吉
1
,
福田 知雄
1
,
寺木 祐一
1
Tomohiro SUZUKI
1
,
Ryokichi TAGUCHI
1
,
Tomoo FUKUDA
1
,
Yuichi TERAKI
1
1埼玉医科大学総合医療センター,皮膚科(主任:福田知雄教授)
キーワード:
腫瘍随伴性天疱瘡
,
粘膜病変
,
抗デスモグレイン3抗体
,
Castleman病
Keyword:
腫瘍随伴性天疱瘡
,
粘膜病変
,
抗デスモグレイン3抗体
,
Castleman病
pp.19-22
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002339
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71歳,女性。初診6週間前より口腔内にびらんが出現し,徐々に口腔全体に拡大した。口唇では厚い血痂を伴い,眼瞼結膜の充血や鼻粘膜びらんもみられたが,皮膚病変は出現しなかった。病理組織学的に基底層直上の棘融解と苔癬型組織反応がみられ,蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgGとC3の沈着を認めた。血清の抗デスモグレイン1,3抗体は陰性であったが,抗デスモコリン3,エンボプラキンおよびペリプラキン抗体が検出された。全身検索で腹腔内にCastleman病が発見された。以上より,腫瘍随伴性天疱瘡と診断し,プレドニゾロンの投与で粘膜疹は改善した。自験例は抗デスモグレイン3抗体が陰性,病変が粘膜部に限局した点など,腫瘍随伴性天疱瘡としてまれな症例と思われた。
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