Japanese
English
症例報告
口腔および上部食道に限局した増殖性天疱瘡の1例
A case of pemphigus vegetans limited to the oral cavity and upper esophagus
秋元 幸子
1
,
石川 治
1
,
宮地 良樹
1
,
牧 清人
2
Sachiko AKIMOTO
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
,
Kiyoto MAKI
2
1群馬大学医学部皮膚科学教室
2前橋赤十字病院耳鼻咽喉科
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
2Department of Otorhinolaryngology, Maebashi Red Cross Hospital
キーワード:
増殖性天疱瘡
,
食道病変
,
粘膜病変
Keyword:
増殖性天疱瘡
,
食道病変
,
粘膜病変
pp.434-436
発行日 1996年5月1日
Published Date 1996/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901878
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65歳,男性の口腔から上部食道に限局した増殖性天疱瘡を報告した.上記広範囲粘膜に増殖局面および糜爛を認めたが,皮膚には病変を欠いていた.舌は腫大し凹凸不整でいわゆる脳回転状舌に類似していた.組織所見にて基底細胞直上の裂隙形成と表皮突起の延長を認め,蛍光抗体直接法にて表皮細胞間にIgGの沈着,間接法にてIgGクラス天疱瘡抗体陽性所見を得た.口唇の病変部より黄色ブドウ球菌が培養され,また重度のう歯および歯周囲炎を伴っていたことより,病像の形成における感染症および慢性炎症の関与が推測された.抗生剤投与には反応しなかったが,その後にプレドニゾロン40mg/日を投与したところ,発疹は急速に軽快した.天疱瘡における病変の出現部位,増殖性病変の発症機序につき若干の考察を加えた.
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