Japanese
English
症例報告
リツキシマブを投与した濾胞性リンパ腫に伴った腫瘍随伴性天疱瘡の1例
A case of paraneoplastic pemphigus with follicular lymphoma treated with rituximab
橋本 彩
1
,
国本 佳代
1
,
貴志 知生
2
,
松山 依子
3
,
細井 裕樹
3
,
古賀 浩嗣
4
,
石井 文人
4
,
金澤 伸雄
1
,
神人 正寿
1
Aya HASHIMOTO
1
,
Kayo KUNIMOTO
1
,
Tomoo KISHI
2
,
Yoriko MATSUYAMA
3
,
Hiroki HOSOI
3
,
Hiroshi KOGA
4
,
Norito ISHII
4
,
Nobuo KANAZAWA
1
,
Masatoshi JINNIN
1
1和歌山県立医科大学皮膚科
2海南医療センター皮膚科
3和歌山県立医科大学血液内科
4久留米大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Wakayama Medical University, Wakayama, Japan
2Department of Dermatology, Kainan Iryou Centar, Kainan, Japan
3Department of Hematology, Wakayama Medical University, Wakayama, Japan
4Department of Dermatology, Kurume Medical University, Kurume, Japan
キーワード:
腫瘍随伴性天疱瘡
,
濾胞性リンパ腫
,
リツキシマブ
Keyword:
腫瘍随伴性天疱瘡
,
濾胞性リンパ腫
,
リツキシマブ
pp.60-66
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206251
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要約 80歳台,男性.初診の1か月前より口腔内にびらんが出現した後,四肢にも水疱が拡大したため前医を受診した.尋常性天疱瘡が疑われ,当科紹介となった.初診時,広範な口腔内びらんを認め,1cmほどの比較的緊満な水疱が体幹や四肢に多数散在していた.血液所見と病理所見から尋常性天疱瘡と考え治療を開始したが,腫瘍随伴性天疱瘡(paraneoplastic pemphigus:PNP)も疑われた.全身単純CTにて後腹膜に腫瘤陰影を認め,CTガイド下生検にて濾胞性リンパ腫と判明した.抗デスモグレイン(Dsg)1,3抗体,エンボプラキン,ペリプラキンに対する自己抗体が陽性でありPNPと確定診断した.プレドニゾロンとリツキシマブを中心に治療をしたところ,皮膚症状は改善しリンパ腫も縮小傾向である.PNPを疑った場合,早期に画像検査を行い,随伴腫瘍を早期に治療する必要がある.リツキシマブは難治性天疱瘡での有効性が報告されているが,自験例のような濾胞性リンパ腫合併PNPでも治療選択肢となりうることが示された.
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