症例
救命し得た閉塞性換気障害を伴う腫瘍随伴性天疱瘡の1例
矢野 志ずか
1
,
屋代 未佳
1
,
三井 純雪
1
,
天羽 康之
1
,
羽山 慧以
2
,
石井 文人
3
,
橋本 隆
4
1北里大学,皮膚科学教室(主任:天羽康之教授)
2同,血液内科教室
3久留米大学,皮膚科学教室
4同,皮膚細胞生物学研究所,所長
キーワード:
腫瘍随伴性天疱瘡
,
閉塞性細気管支炎
,
濾胞性リンパ腫
,
リツキシマブ
Keyword:
腫瘍随伴性天疱瘡
,
閉塞性細気管支炎
,
濾胞性リンパ腫
,
リツキシマブ
pp.1294-1298
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000125
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48歳,女性。5年前に濾胞性リンパ腫と診断され,治療により寛解していたが,再燃に伴い口腔眼粘膜にびらん,ほぼ全身に水疱を伴う紅斑が出現した。病理組織学的所見で表皮内水疱を認め,蛍光抗体直接法では,IgGが表皮細胞間,C3が基底膜部に沈着していた。腫瘍随伴性天疱瘡と診断し,ステロイド大量療法・免疫グロブリン大量静注療法とリンパ腫に対し放射線照射・リツキシマブ投与を行い皮膚粘膜病変は改善した。経過中,低酸素血症と閉塞性換気障害が出現したが,治療により自覚症状と低酸素血症は改善した。腫瘍随伴性天疱瘡に伴う閉塞性細気管支炎は致死的であることが多いが,自験例は一旦出現した肺病変が進行せず経過している。
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