Japanese
English
症例
ヒドロキシクロロキン硫酸塩の内服中に口唇色素沈着を生じた全身性エリテマトーデスの1例
Systemic Lupus Erythematosus with Lip Pigmentation After Oral Administration of Hydroxychloroquine Sulfate
笠松 宏至
1
,
宇都宮 慧
1
,
尾山 徳孝
1
,
高橋 秀典
2
,
杉原 友佳
3
,
稲谷 大
3
,
長谷川 稔
1
Hiroshi KASAMATSU
1
,
Akira UTSUNOMIYA
1
,
Noritaka OYAMA
1
,
Hidenori TAKAHASHI
2
,
Yuka SUGIHARA
3
,
Masaru INATANI
3
,
Minoru HASEGAWA
1
1福井大学医学部医学科,皮膚科学(主任:長谷川稔教授)
2JCHO福井勝山総合病院,皮膚科
3福井大学医学部医学科,眼科学(主任:稲谷 大教授)
キーワード:
ヒドロキシクロロキン硫酸塩
,
全身性エリテマトーデス
,
色素沈着
Keyword:
ヒドロキシクロロキン硫酸塩
,
全身性エリテマトーデス
,
色素沈着
pp.1915-1918
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002306
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31歳,女性。初診3年前からRaynaud現象を自覚していた。手指の腫脹,抗核抗体と抗U1 RNP抗体陽性を認めるものの,他の所見に乏しく,無治療で経過観察していた。初診10カ月後より,口腔内潰瘍や四肢の多関節痛が出現し,全身性エリテマトーデスとしてヒドロキシクロロキン硫酸塩の内服を開始した。口腔内潰瘍や関節痛は軽減したが,内服開始から3カ月後に口唇の色素沈着が出現した。ヒドロキシクロロキン硫酸塩の投与中止後,色素沈着は緩徐に消退した。ヒドロキシクロロキン硫酸塩で生じる中毒疹や網膜症はよく知られているが,色素沈着は諸外国に比べて本邦ではまだ報告が少ない。整容的に問題となる可能性があるため,投与前の説明などに留意する必要がある。
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