Japanese
English
症例報告
ヒドロキシクロロキン内服治療中に妊娠・出産した全身性エリテマトーデスの1例
A case of systemic lupus erythematosus experienced pregnancy and childbirth during hydroxychloroquine treatment
小田 俊輔
1
,
椎谷 千尋
1
,
新川 宏樹
1
,
久保 亮治
1
,
末岡 浩
2
,
仁科 直
3
,
谷川 瑛子
1
Shunsuke ODA
1
,
Chihiro SHIIYA
1
,
Hiroki ARAKAWA
1
,
Akiharu KUBO
1
,
Kou SUEOKA
2
,
Naoshi NISHINA
3
,
Akiko TANIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科
2慶應義塾大学医学部産婦人科
3慶應義塾大学医学部リウマチ膠原病内科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Obstetrics and Gynecology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
3Division of Rheumatology, Department of Internal Medicine, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
ヒドロキシクロロキン
,
全身性エリテマトーデス
,
妊娠
Keyword:
ヒドロキシクロロキン
,
全身性エリテマトーデス
,
妊娠
pp.113-118
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207200
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 31歳,女性.初診半年前より両頰部,耳介に紅斑が出現.白血球減少・低補体血症,抗核抗体・抗dsDNA抗体・抗Sm抗体上昇を認め,Systemic Lupus International Collaborating Clinicsの分類基準を満たし,病理所見とLupus band testと合わせ全身性エリテマトーデスと診断した.臓器病変はなく,ヒドロキシクロロキン(HCQ)200mgと400mgの隔日投与での内服を開始した.内服開始4週で臨床症状,抗体価は改善した.内服開始後に妊娠が判明.インフォームド・コンセントの後HCQ内服継続し,妊娠38週目に帝王切開で2,390gの女児を出産した.わずかに低出生体重であったが,産後3年経過し病勢悪化や子の成長障害を認めていない.全身性エリテマトーデスは妊娠することで増悪する可能性が高く,またHCQ中止により病勢が悪化し妊娠継続が困難になることがあるため,海外では妊娠中もHCQ内服の継続が推奨されている.内服継続によるメリット・デメリットを患者に十分に説明し理解と同意を得たうえで,HCQ継続使用を検討する必要がある.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.