Japanese
English
症例報告
若年発症し急速に進行したエクリン汗孔癌の1例
A case of rapidly progressive eccrine porocarcinoma in a young man
日置 智之
1
,
森 知花
1
,
大原 満梨奈
1
,
神谷 秀喜
1
,
北島 康雄
1
,
満間 照之
2
Tomoyuki HIOKI
1
,
Tomoka MORI
1
,
Marina OHARA
1
,
Hideki KAMIYA
1
,
Yasuo KITAJIMA
1
,
Teruyuki MITSUMA
2
1木沢記念病院皮膚科
2一宮市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kizawa Memorial Hospital, Minokamo, Japan
2Division of Dermatology, Ichinomiya Municipal Hospital, Ichinomiya, Japan
キーワード:
エクリン汗孔癌
,
若年発症
,
化学放射線療法
,
予後不良
Keyword:
エクリン汗孔癌
,
若年発症
,
化学放射線療法
,
予後不良
pp.823-828
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205847
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要約 35歳,男性.10年前より左背部に皮膚結節を自覚していた.初診の4か月前から増大傾向を示し,前医の皮膚生検でエクリン汗孔癌(eccrine porocarcinoma:EPC)と診断された.初診時すでに両側腋窩・左鼠径部リンパ節への多発リンパ節転移と皮膚・骨・胸膜への遠隔転移があり,化学放射線療法を施行した.化学療法(weekly paclitaxel)は全身状態の悪化により2回投与後に中止し,また癌性胸膜炎を併発したため持続的胸腔ドレナージと胸膜癒着術を施行した.放射線治療は完遂して腫瘍の増大抑制やQOL改善に一定の治療効果を認めたが,初診2か月後に死亡した.EPCは表皮内エクリン汗管由来の皮膚悪性腫瘍で,進行例においてはリンパ節転移や遠隔転移をきたすことが多い.自験例のように若年でのEPC発症は比較的稀だが,転移をきたした時点で予後不良と考えられ急速に進行する可能性があるため,注意が必要である.
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