Japanese
English
症例報告
エクリン汗孔腫から生じたエクリン汗孔癌の1例
A case of eccrine porocarcinoma arising from eccrine poroma
岡崎 俊樹
1
,
佐藤 遥太
1
,
笹野 公伸
2
Toshiki OKAZAKI
1
,
Yota SATO
1
,
Hironobu SASANO
2
1石巻赤十字病院皮膚科
2石巻赤十字病院病理診断科
1Division of Dermatology, Japanese Red Cross Ishinomaki Hospital, Ishinomaki, Japan
2Division of Pathology, Japanese Red Cross Ishinomaki Hospital, Ishinomaki, Japan
キーワード:
エクリン汗孔腫
,
エクリン汗孔癌
,
Poroma with Bowenoid change
,
p16
,
Ki-67
Keyword:
エクリン汗孔腫
,
エクリン汗孔癌
,
Poroma with Bowenoid change
,
p16
,
Ki-67
pp.679-683
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207379
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要約 73歳,女性.約2年前より頭部に赤褐色の結節を自覚した.当科初診時,頭頂部に15×8 mm大の境界明瞭な広基性紅色腫瘤を認めた.部分生検の病理組織では,真皮内にporoid cellを主体とした腫瘍細胞が分葉状に増殖し,部分的にcuticular cellや内腔縁がクチクラで縁取られた小管腔構造がみられた.エクリン汗孔腫として全摘した.全摘標本の病理組織では,腫瘍細胞が分葉状に増殖していた.表皮近くの比較的浅層では,腫瘍胞巣は大小不同で,核小体の明瞭化した異型poroid cellが増殖しており,核分裂像が散見された.形態学的に異型の強い箇所では,Ki-67の標識率が高く,同部位に一致してp16の発現はびまん性に低下していた.自験例をエクリン汗孔腫から発生したエクリン汗孔癌と診断した.エクリン汗孔腫とエクリン汗孔癌の鑑別は時として困難となるが,その鑑別にp16染色が有用である可能性があると考えた.
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