Japanese
English
症例報告
半年間で2度の巨大皮下血腫を生じた神経線維腫症Ⅰ型の1例
A case of neurofibromatosis type Ⅰ that developed giant subcutaneous hematomas twice in half a year
橋本 可奈子
1
,
入來 景悟
1
,
浅田 祐介
2
,
大島 暢
3
,
知念 克也
4
,
横内 麻里子
1
Kanako HASHIMOTO
1
,
Hisato IRIKI
1
,
Yusuke ASADA
2
,
Toru OSHIMA
3
,
Katsuya CHINEN
4
,
Mariko YOKOUCHI
1
1練馬総合病院皮膚科
2練馬総合病院外科
3練馬総合病院循環器内科
4練馬総合病院病理診断科
1Division of Dermatology, Nerima General Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Surgery, Nerima General Hospital, Tokyo, Japan
3Division of Cardiology, Nerima General Hospital, Tokyo, Japan
4Division of Pathology, Nerima General Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
神経線維腫症Ⅰ型
,
血管合併症
Keyword:
神経線維腫症Ⅰ型
,
血管合併症
pp.419-425
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207013
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要約 77歳,神経線維腫症Ⅰ型(neurofibromatosis type 1 : NF1)と診断されている男性.発作性心房細動に対してエドキサバンを内服していた.転倒後に左上背部に皮下血腫が生じ,7日間で9 cm大に増大したため,血腫除去術を施行された.5か月後,排尿時に左前胸部痛を自覚し,数時間で13 cm大の皮下血腫を形成した.Dynamic CTで内胸動脈分枝血管と複数の静脈から出血を認め,外科的に緊急止血および血腫除去術を施行された.いずれの出血部位にも皮下腫瘤の自覚はなかったが,血腫周囲組織には病理組織学的にS100蛋白陽性の紡錘形細胞が増生していた.2回目出血時の組織検体には異常拡張した動脈を認め,出血の責任血管と考えられた.動脈壁への紡錘形細胞の明らかな浸潤はなかった.機序は不明な点が多いが,NF1は動静脈の血管障害や出血合併症をしばしば発症し,時に致死的となるため,出血リスク管理に留意することが重要である.
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