Japanese
English
特集 角化症・炎症性角化症
Siemens型水疱性魚鱗癬の1例
Ichthyosis Bullosa of Siemens
宮野 薫
1
,
村上 富美子
1
,
門野 岳史
2
,
岡田 真理
3
,
中野 創
4
Kaoru MIYANO
1
,
Fumiko MURAKAMI
1
,
Takafumi KADONO
2
,
Mari OKADA
3
,
Hajime NAKANO
4
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院,皮膚科(主任:村上富美子部長)
2聖マリアンナ医科大学,皮膚科学教室,教授
3みなまき皮膚科,横浜市
4弘前大学大学院医学研究科,皮膚科学教室
キーワード:
Siemens型水疱性魚鱗癬
,
表在性表皮融解性魚鱗癬
,
KRT2遺伝子変異
Keyword:
Siemens型水疱性魚鱗癬
,
表在性表皮融解性魚鱗癬
,
KRT2遺伝子変異
pp.1511-1516
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002197
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20歳,女性。1歳時より四肢を中心に落屑を伴う紅斑を認めていた。複数の皮膚科通院歴があり,ジフルプレドナートやマキサカルシトールの外用,エトレチナート内服にて加療されていた。当院初診時四肢に色素沈着と落屑を伴う紅斑を認め,大腿の皮膚病理組織像では顆粒層から有棘層にかけて顆粒変性があり,KRT2遺伝子変異も検出され,Siemens型水疱性魚鱗癬と診断した。自験例は小児期よりアトピー性皮膚炎の診断のもと,確定診断がされぬまま長期加療されていた。自験例は極めてまれであるが,四肢を中心とした水疱形成や,表皮剝離局面と角化性局面といった特徴的な皮疹をみた場合は本症を疑い,皮膚生検や遺伝子検査などを検討する必要があると考えた。
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