Japanese
English
薬剤
尿素軟膏の奏効した非水疱型先天性魚鱗癬の1例
THE TREATMENT OF NON BULLOUS TYPE CONGENITAL ICHTHYOSIS WITH UREA
戸田 浄
1
,
小堀 辰治
1
Kiyoshi TODA
1
,
Tatsuji KOBORI
1
1東京逓信病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Teishin Hospital
pp.1089-1094
発行日 1975年12月1日
Published Date 1975/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201532
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ichthyosisは,最近遺伝関係と角化機序の差を指標として分類されている.先天性魚鱗癬は,水疱型と非水疱型に分けられるのが最近の傾向である.この分類に従つて分けると,従来,先天性魚鱗癬様紅皮症と呼ばれていたものの一部も,この非水疱型に入れられることになる.そして,本症は,最近,Van Scott1,2,3)らによつて,尋常性魚鱗癬との異同が論じられ,角化機序の見地からみると確かにそのturn over timeは,短かく,組織学的所見もparakeratosisをともなつたhyperkeratosis,表皮突起の延長,乳頭体の毛細血管の変化という点で,尋常性乾癬のそれに共通点をみとめることができる.しかしながら,臨床像は全く異るということから,著者等は,本症は,尋常性乾癬から全く独立した疾患として考える立場にたつている.
著者等は,三十数年にわたつて観察を続けた本症に,20%尿素軟膏を使用して有効であつたので,尿素軟膏の作用機序を中心に本症の発症機序とその疾患としての独立性について述べる.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.