Japanese
English
特集 生活習慣が関連する皮膚疾患
症例報告
アルコール多飲を契機とした栄養障害性紅斑症の1例
Erythema dystrophica caused by alcohol abuse
髙野 敦啓
1
,
勝田 倫江
1
,
木下 勇次
2
,
中川 秀己
3
,
朝比奈 昭彦
1
Atsuhiro KONO
1
,
Michie KATSUTA
1
,
Yuji KINOSHITA
2
,
Hidemi NAKAGAWA
3
,
Akihiko ASAHINA
1
1東京慈恵会医科大学,皮膚科学講座(主任:朝比奈昭彦教授)
2同,内科学講座(消化器・肝臓内科)
3あたご皮膚科,東京都港区
キーワード:
栄養障害性紅斑症
,
ペラグラ
,
COVID-19
,
飲酒
Keyword:
栄養障害性紅斑症
,
ペラグラ
,
COVID-19
,
飲酒
pp.1637-1640
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004193
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30歳,女性。20歳よりアルコール多飲歴があった。初診6カ月前より両下腿に浮腫と,瘙痒を伴う鱗屑を付す左右対称の紅褐色斑が出現した。ステロイド外用を行うも改善に乏しく,初診1カ月前に左足背に水疱を伴う紅斑が出現した。下腿紅斑の病理組織学的所見では表皮に不全角化を伴う過角化を認めた。血清亜鉛,ニコチン酸,必須アミノ酸はすべて低値で,露光部や粘膜部に皮疹を認めなかったことから,栄養障害性紅斑症と診断した。微量元素補充を行い1週間で皮疹は消退した。COVID-19流行に伴い在宅勤務は増加傾向で,飲酒量も増加していることから,アルコール多飲による栄養障害に注意が必要である。
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