Japanese
English
症例報告
摂食不良と飲酒が誘因と考えられたペラグラ
Pellagra caused by malnutrition and alcohol
藤原 明子
1
,
藤本 智子
2
,
高山 かおる
1
,
井川 健
1
,
佐藤 貴浩
3
,
横関 博雄
1
,
丸山 隆児
4
Akiko FUJIWARA
1
,
Tomoko FUJIMOTO
2
,
Kaoru TAKAYAMA
1
,
Ken IGAWA
1
,
Takahiro SATO
3
,
Hiroo YOKOZEKI
1
,
Ryuji MARUYAMA
4
1東京医科歯科大学医学部附属病院皮膚科
2東京都立大塚病院皮膚科
3防衛医科大学校皮膚科
4まるやま皮膚科クリニック
1Department of Dermatology, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Tokyo Metropolitan Ohtsuka Hospital, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology, National Defense Medical Collage, Saitama, Japan
4Maruyama Dermatological Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
ペラグラ
,
多量飲酒
,
ニコチン酸アミド
,
トリプトファン
,
NAD(nicotinamide adenine dinucleotide)
Keyword:
ペラグラ
,
多量飲酒
,
ニコチン酸アミド
,
トリプトファン
,
NAD(nicotinamide adenine dinucleotide)
pp.42-46
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204277
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要約 78歳,男性.手術歴なし.2008年7月頃から両側前腕に紅斑が出現,ステロイド外用に反応せず同年8月に当院へ紹介された.初診時,両手背から前腕にかけて掻痒のない境界明瞭な色素沈着を伴う暗紅色斑があり一部に弛緩性水疱,痂皮を形成していた.病理組織では表皮の菲薄化,真皮の血管拡張,赤血球の漏出がみられた.血液検査でニコチン酸は7.2μg/mlと正常範囲であったが,トリプトファンが16nM/dlと低値でありペラグラと診断した.ニコチン酸アミド(100mg/日)内服2週間にて略治した.食生活を再調査したところ歯牙脱落によりほとんど食物摂取せず飲酒中心の生活を数年続けていた.また,過去20年間の症例を解析した結果,ニコチン酸が正常であってもペラグラを発症する割合は非飲酒者の1割に対し飲酒者は約4割と高く,アルコール代謝経路との強い関連が示唆された.飲酒者の難治性皮膚病変をみた場合はペラグラを疑うことも必要と考えた.
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