Japanese
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特集 薬疹・薬物障害
腹部に多発したインスリンボールの1例
Multiple Insulin Ball on the Abdomen
宮田 龍臣
1
,
竹中 祐子
1
,
石黒 直子
1
Ryujin MIYATA
1
,
Yuko TAKENAKA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学,皮膚科学教室(主任:石黒直子教授)
キーワード:
インスリンボール
,
限局性皮膚アミロイドーシス
,
インスリン
,
糖尿病
Keyword:
インスリンボール
,
限局性皮膚アミロイドーシス
,
インスリン
,
糖尿病
pp.299-302
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001834
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68歳,女性。21年前より2型糖尿病があり,腹部にインスリン皮下注射を行っていた。約10年前より腹部に結節を生じ,徐々に増数増大した。初診時,腹部に皮表に変化を伴わない拇指頭大の弾性硬の結節が4個散在した。病理組織学的に,真皮から脂肪組織に好酸性に染まる無構造な沈着物を塊状に認めた。無構造物質はダイレクトファーストスカーレット染色で橙赤色に染色され,抗インスリン抗体染色で陽性を示した。インスリン由来のアミロイドと同定し,インスリンボールと診断した。結節部へのインスリン注射を避けるよう指導し,その後結節の増大はみられていない。インスリンボールは血糖コントロール不良の原因となる可能性がある。
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