Japanese
English
症例報告
多発性に大型の皮疹を認めたacquired reactive perforating collagenosisの2例
Two cases of acquired reactive perforating collagenosis with multiple large lesions
秋津 美帆
1
,
竹中 祐子
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
Miho AKITSU
1
,
Yuko TAKENAKA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
acquired reactive perforating collagenosis
,
perforating disorder
,
糖尿病
,
腎障害
Keyword:
acquired reactive perforating collagenosis
,
perforating disorder
,
糖尿病
,
腎障害
pp.145-149
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103892
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要約 症例1:59歳,女性.基礎疾患として糖尿病,腎機能障害があり,初診時,背部,腰臀部に母指頭大前後の暗紅色結節が多発していた.血液検査にてHbA1c 7.7%と高値であった.クロベタゾールプロピオン酸エステル外用,ベポスタチンベシル酸塩内服にて皮疹は軽快した.症例2:54歳,男性.糖尿病,閉塞性動脈硬化症,両足趾壊疽を合併し,糖尿病性腎不全のため血液透析中であった.初診時,腹部,腰臀部,大腿に鳩卵大までの痂皮を付す局面が多発していた.足趾壊疽に二次感染を合併しており,WBC 45,730/μl(Neu 91.1%),CRP 27.95mg/dlと強い炎症反応を認めた.両下腿切断術を施行したが術後に肺炎,呼吸不全を併発し,永眠した.病理組織像では両症例ともに,膠原線維束の経表皮的排出像を認め,acquired reactive perforating collagenosisと診断した.糖尿病のコントロールが不良の症例では,代謝異常や血流障害が高度となり,広範囲に膠原線維の変性をきたし,多量の膠原線維の経表皮的排出をきたすため,大型の皮疹を形成すると推測した.逆に大型の皮疹を形成し難治であることは,糖尿病の予後が不良であることを示唆する症状の1つとして,注意が必要と考えた.
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