Japanese
English
今月の症例
1型糖尿病患者に生じたインスリンボールの1例
A case of insulin ball in type 1 diabetes mellitus
宇都宮 亮
1
,
宮脇 さおり
1
,
藤山 幹子
1
,
大林 光念
2
,
佐山 浩二
1
Ryo UTSUNOMIYA
1
,
Saori MIYAWAKI
1
,
Mikiko TOHYAMA
1
,
Konen OBAYASHI
2
,
Koji SAYAMA
1
1愛媛大学大学院医学系研究科皮膚科学
2熊本大学大学院生命科学研究部構造機能解析学分野
1Department of Dermatology, Ehime University Graduate School of Medicine, Toon, Japan
2Department of Morphological and physiological Sciences, Graduate School of Health Sciences, School of Health Sciences Kumamoto University, Kumamoto, Japan
キーワード:
インスリンボール
,
1型糖尿病
,
アミロイドーシス
Keyword:
インスリンボール
,
1型糖尿病
,
アミロイドーシス
pp.753-758
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205519
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要約 33歳,男性.10歳発症の1型糖尿病があり,インスリン療法を受けていた.16歳頃より両上肢,両大腿の腫瘤を自覚した.31歳時に腹部への注射を指示され,9か月後に腹部の注射部に硬結を生じた.硬結は急速に増大して腫瘤となり,インスリンボールが疑われ2013年7月に当院を紹介され受診した.インスリン注射は毎回つまみやすい腫瘤部に行っていた.生検組織の病理像では,真皮深層で膠原線維の増生があり,DFS染色,コンゴーレッド染色陽性となるアミロイドの沈着を認めた.免疫染色でアミロイド沈着部に一致して抗インスリン抗体が陽性で,インスリンアミロイド沈着症であるインスリンボールと診断した.患者はインスリンを車中に保管しており,長時間の高温曝露がアミロイド前駆体の形成を促進したと考えた.インスリン投与患者には注射部位の指導とともに,インスリン製剤の保存方法を指導することが必要であると考える.
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