Japanese
English
特集 薬疹・薬物障害
三酸化二ヒ素による薬疹と思われた1例
A Suspected Case of Drug Eruption Due to Arsenic Trioxide
山村 里恵
1
,
雲財 崇
1
,
敷地 孝法
1
,
宇高 憲吾
2
,
柴田 泰伸
2
Rie YAMAMURA
1
,
Takashi UNZAI
1
,
Takanori SHIKIJI
1
,
Kengo UTAKA
2
,
Yasunobu SHIBATA
2
1徳島県立中央病院,皮膚科(主任:敷地孝法部長)
2同,血液内科
キーワード:
三酸化二ヒ素
,
トリセノックス®
,
ヒ素
,
急性ヒ素中毒
Keyword:
三酸化二ヒ素
,
トリセノックス®
,
ヒ素
,
急性ヒ素中毒
pp.295-297
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001833
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
63歳,女性。急性前骨髄球性白血病再発の寛解導入療法のため三酸化二ヒ素の投与を開始された。投与11日目に間擦部を中心に粟粒大の汗疹状丘疹が多発し,軽度の痒みを伴った。ヒ素の中毒性による薬疹を疑い,投与を中止せずステロイド外用で治療したところ,皮疹は徐々に消失した。その後地固め療法のため三酸化二ヒ素を再投与されたが皮疹の再燃はなく,パッチテストは陰性であった。自験例の皮膚所見は和歌山毒物カレー事件の急性ヒ素中毒,過去の三酸化二ヒ素による薬疹と類似していた。これらヒ素による汗疹状丘疹はアレルギー性か中毒性によるものか不明であったが,自験例からヒ素の中毒性によるものではないかと考えた。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.