Japanese
English
特集 水疱症・膿疱症
妊娠性疱疹の2例
Two Cases of Herpes Gestationis
奥根 真里
1
,
伊藤 美佳子
2
,
小林 桂子
2
Mari OKUNE
1
,
Mikako ITO
2
,
Keiko KOBAYASHI
2
1筑波大学附属病院,皮膚科
2水戸赤十字病院,皮膚科(主任:小林桂子部長)
キーワード:
妊娠性疱疹
,
水疱性類天疱瘡
Keyword:
妊娠性疱疹
,
水疱性類天疱瘡
pp.149-152
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001791
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症例1:29歳,女性。男児を出産。産後2日目から水疱を伴う紅斑が出現した。抗BP180抗体が上昇し,病理組織所見で表皮下水疱があり,表皮基底膜部にC3の線状沈着を認め妊娠性疱疹と診断した。プレドニゾロンとシクロスポリン内服で改善した。症例2:22歳,女性。男児を出産。産後8日目に上肢,腹部に紅斑,水疱が出現した。抗BP180抗体が上昇,病理組織所見より妊娠性疱疹と診断した。ステロイド軟膏外用で治癒した。翌年第2子女児出産時には再燃なく,3年後に第3子男児の出産の際,帝王切開後3日目に腹部に緊満性水疱が出現した。抗BP180抗体が再上昇し妊娠性疱疹再燃と診断した。妊娠性疱疹は次の出産や月経時に再燃することが報告されており,性ホルモンの影響があると推測されている。次の出産時の発症について言及した報告は少ない。胎児の性別が発症に関与した可能性も考えられる興味深い症例を経験したので報告する。
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