Japanese
English
症例
出血性十二指腸潰瘍を合併し,副腎皮質ステロイドとシクロスポリンの併用が有効であったIgA血管炎の1例
IgA Vasculitis with Hemorrhagic Duodenal Ulcer Treated with Corticosteroid and Cyclosporine
馬場 俊右
1
,
赤坂 季代美
1
,
森 志朋
1
,
天野 博雄
1
,
赤坂 俊英
1,2
Shunsuke BABA
1
,
Kiyomi AKASAKA
1
,
Shiho MORI
1
,
Hiroo AMANO
1
,
Toshihide AKASAKA
1,2
1岩手医科大学医学部,皮膚科学講座(主任:天野博雄教授)
2北上済生会病院,皮膚科
キーワード:
IgA血管炎
,
シクロスポリン
,
第XIII因子
Keyword:
IgA血管炎
,
シクロスポリン
,
第XIII因子
pp.1867-1871
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001683
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37歳,男性。1カ月前から顔面と下肢に紫斑があり,腹痛も生じていた。IgA血管炎と診断し,プレドニゾロン(PSL)60mg/日で治療を開始した。PSL減量中に紫斑と腹痛が再燃し,ステロイドパルス療法を行った。PSL 25mg/日へ減量3日後に急激な紫斑の増加と腹痛・嘔吐・吐血があり緊急入院した。内視鏡検査で十二指腸にびらんが多発しており,IgA血管炎による潰瘍と診断,ステロイドパルス療法を行った。パルス療法後はシクロスポリンを併用した。その後,凝固第XIII因子値を病勢の指標として両薬剤を漸減,投与を終了したが,症状の再燃はない。凝固第XIII因子の測定は,IgA血管炎による腹部症状の悪化および改善を反映し,薬剤調整のよい指標と考える。
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