Japanese
English
特集 真菌症
全身性エリテマトーデスの治療中に発症した皮膚クリプトコッカス症の1例
Cutaneous Cryptococcosis Occurring During the Treatment Course of Systemic Lupus Erythematosus
矢野 志ずか
1
,
徳永 千春
1
Shizuka YANO
1
,
Chiharu TOKUNAGA
1
1大和市立病院,皮膚科(主任:徳永千春上級医長)
キーワード:
皮膚クリプトコッカス症
,
蜂窩織炎
,
皮膚潰瘍
,
全身性エリテマトーデス
Keyword:
皮膚クリプトコッカス症
,
蜂窩織炎
,
皮膚潰瘍
,
全身性エリテマトーデス
pp.1077-1081
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001443
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59歳,女性。全身性エリテマトーデスに対し副腎皮質ステロイドと免疫抑制剤を内服中に右下腿が発赤・腫脹した。蜂窩織炎を疑い抗菌薬を内服するも改善せず,意識障害を生じた。両下腿に浸潤を触れる紅斑と紫斑,結節がみられ,潰瘍を形成していた。皮膚病理組織で真皮から皮下組織に多数の菌体を認め,皮膚・血液培養でCryptococcus neoformansが検出された。ホスフルコナゾールの投与で皮膚症状は改善傾向にあったが,敗血症が進行し永眠した。皮膚クリプトコッカス症は症状が多彩で,臨床所見だけでは診断が困難なことが多い。免疫抑制状態の患者で抗菌薬に反応しない蜂窩織炎様の皮疹の診察をした際には,本疾患を念頭に置き,皮膚生検や真菌培養を行う必要がある。
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