Japanese
English
症例報告
ステロイド長期投与患者に発症した皮膚クリプトコッカス症および真菌血症の1例
A case of cutaneous cryptococcosis and fungemia in a patient with a long-term administration of systemic corticosteroid
浜重 純平
1
,
増地 裕
1
,
廣谷 茜
2
Junpei HAMASHIGE
1
,
Yutaka MASUJI
1
,
Akane HIROTANI
2
1鳥取市立病院皮膚科
2鳥取市立病院総合診療科
1Division of Dermatolory, Tottori Municipal Hospital, Tottori, Japan
2Division of General Medicine, Tottori Municipal Hospital, Tottori, Japan
キーワード:
皮膚クリプトコッカス症
,
免疫抑制状態
,
Behçet病
,
真菌症
Keyword:
皮膚クリプトコッカス症
,
免疫抑制状態
,
Behçet病
,
真菌症
pp.533-537
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205144
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要約 87歳,女性.糖尿病とBehçet病のためプレドニゾロン(PSL)10mg/日長期内服中であった.2015年6月中旬に発熱と右下腿の発赤・腫脹・潰瘍が出現し,蜂窩織炎・敗血症を疑って抗菌薬点滴を開始した.血液培養・皮膚培養からCryptococcus neoformansが検出され,皮膚クリプトコッカス症・真菌血症と診断した.アムホテリシンB(3.5mg/kg/日)+フルシトシン(25mg/kg/日)投与を2週間行い,右下腿腫脹は改善したが,左上肢蜂窩織炎と腸球菌による菌血症を合併した.腎機能障害のため抗真菌薬をフルコナゾールに変更したが全身状態悪化し死亡した.PSL長期投与による易感染性から皮膚クリプトコッカス症に罹患し,蜂窩織炎様症状と真菌血症をきたしたと考えた.ガイドラインに沿った抗真菌薬治療を行ったが,高齢患者への抗真菌薬継続投与が腎機能悪化を誘発し,治療を完遂できなかった.
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