Japanese
English
特集 真菌症
JAK阻害薬投与中の関節リウマチ患者に発症し蜂窩織炎様の所見を呈した皮膚クリプトコッカス症の1例
Cutaneous cryptococcosis that developed during administration of JAK inhibitor
山﨑 佳那子
1
,
湊 優子
1
,
中島 美世
1
,
仁木 真理子
1
,
村尾 和俊
1
,
久保 宜明
1
,
小川 瑛
2
Kanako YAMASAKI
1
,
Yuko MINATO
1
,
Miyo NAKAJIMA
1
,
Mariko NIKI
1
,
Kazutoshi MURAO
1
,
Yoshiaki KUBO
1
,
Ei OGAWA
2
1徳島大学大学院医歯薬学研究部,皮膚科学(主任:久保宜明教授)
2同,呼吸器・膠原病内科学
キーワード:
JAK阻害薬
,
皮膚クリプトコッカス症
,
Cryptococcus neoformans
,
免疫不全
Keyword:
JAK阻害薬
,
皮膚クリプトコッカス症
,
Cryptococcus neoformans
,
免疫不全
pp.179-183
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003762
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
79歳,女性。関節リウマチの治療中で,3年前からプレドニゾロンとJAK阻害薬を服用していた。3週間前より発熱と下腿の発赤を生じ,蜂窩織炎として抗菌薬を投与されたが軽快せず,当科を紹介受診した。左下腿は発赤腫脹し熱感を伴い,右下腿にも発赤を認めた。WBC 15,400/μl,CRP 20.7mg/dlと上昇し,血液培養でCryptococcus neoformansが検出され,皮膚生検組織ではGrocott染色陽性の菌体を認めた。続発性皮膚クリプトコッカス症と考え,抗真菌薬の投与で両下腿の発赤熱感は軽快したが,敗血症で永眠した。続発性皮膚クリプトコッカス症は主に免疫不全者に生じ,JAK阻害薬投与中の発症例も報告されている。免疫不全者の抗菌薬への反応に乏しい蜂窩織炎様の病変では本症を考える必要がある。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.