Japanese
English
症例報告
皮膚生検を契機に診断しえた播種性クリプトコッカス症の1例
A case of disseminated cryptococcosis diagnosed after skin biopsy
伊東 可寛
1
,
白樫 祐介
1
,
五味 博子
1
,
田井 宣之
2
,
小林 孝志
1
,
早川 和人
1
Yoshihiro ITO
1
,
Yusuke SHIRAKASHI
1
,
Hiroko GOMI
1
,
Nobuyuki TAI
2
,
Takashi KOBAYASHI
1
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
1帝京大学ちば総合医療センター皮膚科
2帝京大学ちば総合医療センター第3内科
1Department of Dermatology, Teikyo University Medical Center, Chiba, Japan
2Third Department of Medicine, Teikyo University Medical Center, Ichihara, Japan
キーワード:
皮膚クリプトコッカス症
,
蜂窩織炎
,
免疫抑制状態
,
Cushing症候群
,
真菌症
Keyword:
皮膚クリプトコッカス症
,
蜂窩織炎
,
免疫抑制状態
,
Cushing症候群
,
真菌症
pp.349-353
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103946
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要約 74歳,女性.1年半前より周期性Cushing症候群に対してメチラポンおよびデカドロン1mg/日にて加療中であった.1年前よりコルチゾール過剰症状が続き,食思不振および全身倦怠感で入院精査中に,左大腿に手掌大の紅斑が出現したため当科を紹介された.初診時,左大腿外側に手掌大の境界明瞭で板状硬の紅斑を認めた.病理組織所見で真皮浅層から脂肪織に著明な浮腫,変性があり,空隙を有する大小不同の円形の菌体をびまん性に認めた.菌体はPAS染色,ムチカルミン染色などで陽性所見を示し,皮膚組織および血液培養にてCryptococcus neoformansが同定された.抗真菌薬を投与するも呼吸状態が悪化し,永眠した.皮膚クリプトコッカス症ではさまざまな皮疹を呈することがあるが,播種性クリプトコッカス症を発見する契機となりうるため免疫抑制患者の蜂巣炎様症状を診察した際は本症を念頭に置く必要がある.
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