Japanese
English
症例報告
高齢者の眼瞼に生じた皮膚限局型クリプトコッカス症
A elderly case of the primary cutaneous cryptococcosis of the eyelid
池田 佳寿子
1
,
濱田 利久
1
,
岩月 啓氏
1
Kazuko IKEDA
1
,
Toshihisa HAMADA
1
,
Keiji IWATSUKI
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology,Okayama University Graduate School of Medicine,Dentistry and Pharmaceutical Science,Okayama,Japan
キーワード:
皮膚クリプトコッカス症
,
Cryptococcus neoformans
,
イトラコナゾール
,
高齢者
Keyword:
皮膚クリプトコッカス症
,
Cryptococcus neoformans
,
イトラコナゾール
,
高齢者
pp.161-165
発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103177
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 81歳,女性.2週間前より,右下眼瞼に結節性病変が出現.徐々に増大し,その外側にも結節が出現したため受診した.初診時,右下眼瞼に自覚症状を伴わない弾性硬の皮下腫瘤を認めた.臨床像からスポロトリコーシスを鑑別に皮膚生検を施行した.組織像からクリプトコッカス症を考え,イトラコナゾール100mg/日内服開始したがわずかな縮小を認めるのみであったため,内服開始から3週間後に150mgに増量したところ,結節の縮小・消退を認めた.真菌学的検査の結果,Cryptococcus neoformans variety grubiと同定した.皮膚クリプトコッカス症は臨床像が多彩であり診断が困難なことが多く,さらに自験例のように基礎疾患を有さず明らかな免疫低下状態にない患者にも発症することがあるため,本症を鑑別疾患の1つとして常に念頭に置いておく必要があると思われた.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.