Japanese
English
症例報告
開口部形質細胞症の4例
Four cases of plasmocytosis circumorificialis
西條 あかり
1
,
高塚 純子
1
,
竹之内 辰也
1
Akari SAIJO
1
,
Sumiko TAKATSUKA
1
,
Tatsuya TAKENOUCHI
1
1新潟県立がんセンター新潟病院皮膚科
1Division of Dermatology, Niigata Cancer Center Hospital, Niigata, Japan
キーワード:
開口部形質細胞症
,
形質細胞性口唇炎
,
形質細胞性亀頭炎
,
形質細胞
Keyword:
開口部形質細胞症
,
形質細胞性口唇炎
,
形質細胞性亀頭炎
,
形質細胞
pp.531-535
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103697
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要約
開口部形質細胞症の4例を経験した.発症部位は下口唇3例,陰茎亀頭1例で,61~76歳のいずれも男性であった.臨床症状は紅斑を伴う難治性のびらん,潰瘍であり,病理組織像は上皮の菲薄化・欠損と粘膜固有層における形質細胞の稠密な浸潤が共通所見として認められた.このうち1例においては過去の口唇癌に対する放射線照射部位に一致して生じており,瘢痕組織に伴う慢性的な局所循環障害が発症に関与した可能性を考えた.治療としては3例に全切除,1例にステロイド外用を行い改善傾向を認めた.本症は臨床的特徴に乏しく,病理組織学的な除外診断として成立する疾患であるが,粘膜のびらん・潰瘍に対する皮膚科医が認識すべき鑑別診断の1つとして重要である.
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