Japanese
English
症例報告
形質細胞性包皮炎の1例
A case of balanitis circumscripta plasmacellularis
西本 周平
1
,
和田 直子
1
Shuhei NISHIMOTO
1
,
Naoko WADA
1
1練馬総合病院皮膚科
1Division of Dermatology, Nerima General Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
形質細胞性包皮炎
,
開口部形質細胞症
,
Queyrat紅色肥厚症
,
扁平苔癬
Keyword:
形質細胞性包皮炎
,
開口部形質細胞症
,
Queyrat紅色肥厚症
,
扁平苔癬
pp.873-876
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204575
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 70歳,男性.陰茎背面に爪甲大の辺縁が堤防状隆起し,浸潤を伴う紅色びらん性病変が出現した.有棘細胞癌を疑い皮膚生検を施行した.病理組織学的には異型細胞を認めず真皮浅層の形質細胞とリンパ球からなる密な細胞浸潤があり,リンパ球優位の部位が多かった.扁平苔癬との鑑別を要したが,炎症細胞は表皮直下には及ばず液状変性がなく,真皮の毛細血管増生,真皮深層の血管周囲性に形質細胞主体の軽度の炎症細胞浸潤を認めることなどから,形質細胞性包皮炎と診断した.治療は外科的に切除した.形質細胞性包皮炎はQueyrat紅色肥厚症に類似した臨床像を呈し,また,組織学的に特に形質細胞浸潤の比較的少ない症例では扁平苔癬との異同が問題となるが,他の組織学的所見により鑑別は可能であると考えた.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.