Japanese
English
臨床研究
表皮の付属器分化を伴った皮膚線維腫の検討
Adnexal differentiation of the epithelium in dermatofibroma
水上 卓哉
1
,
藤田 靖幸
1
,
真屋 由佳
1
,
清水 聡子
1
Takuya MIZUKAMI
1
,
Yasuyuki FUJITA
1
,
Yuka MAYA
1
,
Satoko SHIMIZU
1
1市立札幌病院,皮膚科(主任:清水聡子部長)
キーワード:
皮膚線維腫
,
脂腺分化
,
毛包分化
,
病理組織学的検討
Keyword:
皮膚線維腫
,
脂腺分化
,
毛包分化
,
病理組織学的検討
pp.395-399
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003157
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皮膚線維腫(DF)の直上の表皮において,脂腺と毛包への付属器分化が観察されることが知られているが,DFの組織型と付属器分化との関連は明らかにされていない。2010年4月~2019年10月に市立札幌病院皮膚科でDFと病理診断した52例について後ろ向きに病理組織学的検討を行った。脂腺分化11例(21%),毛包分化18例(35%)で観察された。脂腺分化はfibrohistiocytic DFで23%,fibrocytic DFで13%,sclerotic DFで22%といずれの組織型においても一定の割合で観察された。一方,毛包分化はfibrohistiocytic DFで43%,fibrocytic DFで38%,sclerotic DFで0%とDFの発達段階が進むとともに減少する傾向がみられた。毛包分化はDF初期のfibrohistiocytic DFの段階で生じ線維化が進むとともに退縮する一方で,一度形成された成熟脂腺は退縮しない可能性が示唆された。
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