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基底細胞癌との鑑別を要した皮膚線維腫上に生じたBasaloid Epidermal Proliferationの1例
澁谷 貴史
1
,
本間 大
,
山本 明美
,
加藤 直樹
1旭川医科大学 皮膚科学講座
キーワード:
基底細胞腫
,
鑑別診断
,
膝
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
組織球腫-良性線維性
,
Merkel細胞
,
皮膚鏡検査
,
皮膚外科
,
基底細胞
Keyword:
Carcinoma, Basal Cell
,
Diagnosis, Differential
,
Immunohistochemistry
,
Knee
,
Skin Neoplasms
,
Histiocytoma, Benign Fibrous
,
Merkel Cells
,
Dermoscopy
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.132-133
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017115838
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- 文献概要
57歳女。右膝の皮膚腫瘍を主訴とした。数ヵ月前より右膝に鈍痛と軽度のそう痒を伴う腫瘤を自覚し、再診時には中央に黒色斑を伴いドーム状に隆起する赤褐色腫瘤(11mm大)を認めた。ダーモスコピー所見ではspoke wheel areaやblue-gray ovoid globules様の構造が観察され、皮膚生検では基底細胞癌(BCC)を否定できなかったため、全摘出術を行った。病理組織学的所見では上皮成分の下床の真皮では紡錘型細胞と線維成分が放射状に増生しており、皮膚線維腫(DF)の所見であった。また、病巣直上で表皮と連続して網状に増生する基底細胞様細胞の細胞質内にCK-20陽性のMerkel細胞が散在しており、病理組織所見と免疫染色所見よりDF上に生じたbasaloid epidermal proliferationと診断した。切除後1年現在、再発はない。
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