憧鉄雑感
第76回 診療対価
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団廣仁会札幌皮膚科クリニック,褥瘡・創傷治癒研究所
pp.1303-1303
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000888
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保険診療を行ううえでは保険点数を熟知せねばならぬ。医療は当然患者の症状を診ながら検査と治療を進めていくので,明朗会計はなかなか難しい。患者側からは “会計時まで値段が分からぬのは不安であり,まるで高級寿司屋と同じである” などの新聞投書を見たことがある。言わんとすることはわかるが,医療はルールに則って点数を算定している。以前,テレビ番組で値札のない高級寿司屋に,接待を思わせる中年男性,OL,学生のそれぞれ2人連れを潜入させ,同じネタを食べた際の値段の差異を抜き打ち調査していたが,接待>OL>学生の順であった。しかし,これには寿司屋も言い分があり,時価である以上同じトロであっても,提供する部位で差があるとのことであった。他方,医師側からすると時間がかかる処置より,迅速にできるそれのほうが点数が高いこともあり,一筋縄にはいかないものである。
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